稚内で過したキハ22-23製作


  今回のご依頼は、子供の頃に見たキハ22-23です。
  本当に初期のキハ22で資料も少なく少ない情報のなかからの製作となります。

ご依頼者様から種車となるTOMIXキハ22(M)が到着しました。
まずは点検、分解です。
ま、新車ですので特に気になる点はありませんが、この車体(TOMIXとしてのキハ22)は初めてですのでチェックの意味合いもあります。
ボディーをIPAに浸けて塗装を剥がします。
数十分後歯ブラシで軽く擦ると簡単に剥げて来ます。
シンナーと違いボディーダメージは少ないです。
さっぱりしましたね。
綺麗な塗装なだけに少し惜しいですけどね。
微妙に私の持っている塗料と色合いが違います。
手摺りをルーターで削り落とします。
ボディーまで削りすぎないように慎重に進めます。
削り取った手摺りの根元に新しく取り付ける手摺りの穴を開けます。
0.2mmのドリルをピンバイスを使って開けます。
綺麗に開きました。
おっと、乗務員扉の上の穴を間違ってしまった。
タブレットキャッチャーを取り付けるため少々短いのです。
埋めて別の位置に開けなおしました。
部品の確認。
工場には相当の部品をストックしてますが、よく出る部品は切らすことも・・・
案の定、銀河モデルの妻面手スリが不足。
模型屋に行きましたが品切れ。
ただ運の良いことに再生産で今月入荷するとの。
少々待ちです。
少しばかり在庫の手摺りを屋根に取り付け。
同時に信号煙管(銀河モデル)を取付。
妻面も削りドリルで穴あけ。
数が多いです。
左右のバランスを確認しながらの作業。
最近してない遠視のメガネをしての作業となりました。
ホワイトサーフェイサーを吹きチェック。
特に問題もなかったので国鉄クリーム4号を吹き付けました。
色が見えにくいので角度を変えて。
今回は2色なので手スリを後付にしました。
取り付け穴を埋めないように塗装します。
(手スリが先に付くとマスキング時にやっかいになります。)
横のアップです。
これからマスキングします。
まずは、凹凸の部分に塗料がながれないようにマスクゾルでガード
あとはマスキングして国鉄朱色4号を吹き付けます。
薄く乾かしては塗装。3〜4回に分けて吹き付けます。
側面の塗装があがりました。
きれいですよね。
剥離する前のようです。
この角度でみると、あらあら・・・
妻面の塗装です。
正直左右対称のマスキングで一般色は、かなり気を使います。
隙間をゾルで埋めさて塗装・・・
ちょいと緊張しながら5回ぐらいに分けて薄く重ね塗り
乾燥ブースで数分休憩・・・
Rの部分もラインもシャープに決まり、まずまずでしょう。
やはり手スリの後付が決めてです。
屋根です。IPAを附けちゃったり気がついたら汚れてしまった。ださい。
迷わず再塗装。色を考え少し青みが買ったねずみ色、ねずみ色1号を
吹き付けました。
ライト部分は後から朱色を入れます。
側面手スリです。
側面の手スリはすべてハンドメイド。
1本1本合わせで作ります。
仮取り付けです。
少々斜めになるのをここで微調整。
正直若干の誤差は出ます。
見た感じでの調整です。
メタルプライマーを塗りクリーム色を筆塗りします。
はみ出さないように気を使います。
この感じがメーカーでは出せない部分です。
仮に機関車の手スリみたいにオプションがあったとしても0.2mmの
細さで出すスケール感には及びません。
妻面の手スリも取り付け。なのですが、在庫が10本しかなく終了。
残りは入荷待ちです。月末頃でしょうか・・・
なんとなくバラしてみたくなりました。
モーター小さくなりましたね〜
小さくてもフライホイールのお陰でトルクは落ちないんですね。
すばらしい。
え?なに座席にサーフェイサー吹いてるの?
その後にフラットブラック?
頼まれてないのですが部品こないし時間があったので軽く着色。
座席はフラットブルーで仕上げます。
ださい。
タブレットキャッチャーの作成。
銀河モデルのタブレットキャッチャーを軽く加工します。
バーが付いて無いので真鍮線で取り付けます。
小さい・・・
い。
妻面の運転席窓より少し上に取り付け。
左右のバランスも確認。
塗装後なので一発勝負の取り付け。
無事終了です。
どうも気に入らない!・・・

側面の手スリですがどうも気に入らない。
今ならまだ修正可能段階ですので思い切って撤去し付け直すことにしました。
ご依頼者様には少々お時間取らせますが納得いかぬ物を落成させるわけには
いきません。
(試作なら良いかもしれませんが)
集中、集中。頭の中では完成してますのでやってみま〜す♪
手スリどうやって外すか?
専用の道具があります。
ボディーに傷を付けぬよう竹でできていて先が薄くしなやかです。
(コンビニの竹の割り箸で作りました。♪)
新しく手スリを取り付けました。
今度はいい感じ。いい感じ。
え?あんまりわかんない?w
角度を変えて・・・
両方向すべて付け替えました。
ようやく納得いくものができました。
(納得いくレベルとは、納車の時に渡すのがいやになるレベルです。)
こっちが見やすいかな。
この後、色をさします。
妻面の手スリ待ちとなりました。
ちょっと合間にデフロスターの取り付けです。
標準でデフロスターの形が付いてますが、やはり枠をきちんと付けた方が
かっこいいです。
銀河モデルのデフロスター(N-043)を裏面から接着しました。
銀色の枠があるとやはりかっこいいと思います。
話は手スリに戻り、側面の手スリにクリーム色を差します。
手スリの感じもいいです。
タブレットキャッチャーもついでに少々手直し。
少しシャープになりました。
前面部が出来ました。
テールライト上のステップですが、手スリを取り付け塗料の表面張力を使い
板面を表現してます。
もう少しアップ。
続いて反対側ですが、車両標記が付きますが車両ごとに微妙に違ったりします。
今晩中に調べて製作したいと思います。
Webで23番一般色の写真あるかな〜

さすがに23はありませんでしたが、宗谷本線を走る20番など色々確認
しましたがすべて同じ位置でした。
早速、反対側の作業続行。手スリの取り付け完了です。
実は標記ですがインレタではなくデカールを使用してます。
理由は貼りやすいからです。
インレタではうまくいかないし決まらない・・・
在庫はまだありますがWebで追加注文しておきました。
手スリも取り付け標記も記入されました。
手スリの微妙な調整で完了です。
次は、側面にキハ22-23を入れて半光沢を吹きほぼ完成です。
デカールの標記をマークソフター(軟化材)で馴染ませマークセッターで
接着し乾くまでの間、床下に軽く筆を入れます。
奥行きを出す為に本来ない部分(M車なので)をつや消しブラックで
塗りつぶします。
少々ラフですが、はみ出したら塗料を削り落せますしウェザリングで
ボカシを入れますのでサラっとやります。
決してボディーが歪んでいるのではありませんよ。w
虫眼鏡を通してます。(携帯マクロの接写の限界を超えてしまってます)

キハ22−23が入りました。
標記も入りました。
インレタとデカールを混ぜて使ってます。
デカールはマークセッターで定着してますが
このあと、半光沢でさらに仕上げます。
屋根を組上げ前にウェザリングを施しておきます。
今回はボディーがあまり汚れてないタイプでしたので別々としました。
ボディーに半光沢を吹きました。
GMのクリアコート(半光沢)44番を使いました。
床下にもフラットブラウンを吹きます。
基本的にウェザリングにはタミヤカラーエナメルを使ってます。
塗装の基礎テクニックでも説明してますが使う場所などで
使う塗料の順番があります。
正しく使うと光沢も出てリカバリーも可能です。
窓ガラスを入れてます。
結構ここが大変だったりします。
手スリを取り付けた凹凸が裏面に若干残り平らに仕上げながら
合せて行きます。
逆に手スリを取り付ける段階でここを計算しておかないと
ここまできて大変なことにもなりかねません。
手スリの取り付け強度を落とさないためにも手スリの取り付けの裏面を
ルーターで少し削り接着剤が盛れるようにしておくといいでしょう。
そうすると平に削っても取れることはありません。
これは後ろ側でジャンパーホースを取り付けました。
いつも使用するのは0.45mmのラインですが今回は東京?大阪?遠征で
購入したSAKATSUのプラグコードを使用しました。
0.38mmでわずかな違いですが1/150スケールだといいですね。
運転士を高さを合せて乗車。
勢いで屋根を付けたくなりました。
さらに勢いで床下も・・・こうなりゃ落成間近か?
いえいえもう少し先です。
ようやくらしくなってきましたね。

    落  成         

  Befure After (写真をクリック) 

奥が改造前で手前が改造後です。
左が改造前。右が改造後。
いい感じです。

↑クリックすると画像が大きくなります。
ご依頼者様が幼少の頃に見た南稚内駅のキハ22−23。
宗谷本線、天北線を単行していたキハ22。そんな想い出を再現しました。
今回ベースはTOMIX キハ22でMでしたので車内作成は軽く済ませました。
妻面の手スリは銀河モデル、側面の手スリは0.2mmステン線からのワンオフです。
エンジン音が聞こえてきそうなこの模型。間も無くご依頼者様の元へ甲種回送となります。

               なんだか今回も手放したくないな〜    工場長 Hide


 今週はここまで・・