キハ45−5 レストア

今回のご依頼はキハ45−5(キハ09−5)でした。
始めご相談を受けた時にピンときませんでしたがGMのキットを思い出しなんとなく調べました。
その後ご依頼者様から「RM LIBRARY 81 キハ08とその一族」という資料本が送られてきまして読み始めました。
読んでいるうちに惚れてきました。北海道にも縁があり私自身も製作してみたくなりました。
この気動車、無煙化による気動車増車の不足のために客車(オハフ62)からの改造でコスト面でも安く上がっていたそうです。
ご依頼者様から送られてきた種車を元にレストアした内容をアップしていきます。

GMのキハ45改造キットからHG化を始めます。
まずは解体していきます。
解体して色々見ていくとどうも台車が違いました。
製作予定の5号機は台車が前後DT22になってました。
ここが少々やっかいでして写真の種車はM(動力車)であったため
GMストアーに部品で取れるか確認。
ギアからの1つ1つの注文で送料手数料などもかかり・・・・・
少々お高く付いちゃいました。
IPAで塗装剥離も簡単に落ちました。
結構この瞬間が楽しいもので、この車両を製作したモデラーさんの足跡が見えます。
少々マスキングの甘さを除けば非常に良い出来だと思いました。
サッパリしたところで手スリの取り付け穴を開けます。
このキハ45ですが、面白いことに乗務員扉が片側しか付いてません。
乗り降り不便なかったのでしょうかね?
ライトレンズを入れるための穴を開けました。
また、ホーンの向きが横向きなので銀河モデルのタイホンを取り付けました。
片側運転台のキハ45ですが運転席の反対側の妻面はツルンと何もありません。
手スリやテールランプなどなどすべて削り落としました。
正面に手スリを付ける為に穴を開けてきます。
今回は、扉の取っ手が無いのですべての扉に取っ手を付ける予定です。
手スリ取り付けの裏側に接着面が増えるようにホールしていきます。
外装確認しましたら雨どいが一部無い部分があったので0.25×0.5の
プラ材を使い追加しました。
正面部分では、テールレンズ(銀河モデルN-063)の土台を取り付け、
標識灯半円板を取り付けました。
また正面横には縦に雨樋の丸い筒が走っていまして細くて見にくいですが
再現しました。
トイレの流し管もストレートの形式もあり深いです。


床下を確認。
シャーシとボディーのクリアランスが広かったため、かなり加工しました。
ようやく面位置(つらいち)になりました。

エンジン以外は作り直しかな・・・
まずは図面描こうと思います。
ひとまず撤去開始しました。
少しずつワンオフで製作していきます。
やはり客車にエンジンを積んだせいと気動車幕開けの頃とあまり見たこと無い
形の機器が多いです。
図面。図面。
軽くデッサンレベルの図面。
ん〜。一部想像・・・
図面もあがったのでタンクの施工に入ります。
0.3mmのプラ管の橋をパテで埋めて削ります。
写真はルーターに挟んで先を丸く削るところです。
主タンクを2本と補助を1本製作。
タンクを取り付ける足も作りました。
こんな感じですがなんだか物足りない・・・
そうそう固定のためのベルトがなかった。
こんな感じでしょうか。
瞬間接着剤でこんな感じで巻いていきます。
3本取り付け完了。
下回りで大きな箱があります。
電池箱かと思いますがなかなか良いパーツがなくワンオフで作りこみました。
設置後です。
やはりワンオフ製作してよかったです。
しっくりきます。
床下も賑やかになってきました。
資料がなく難しいです。
反対側のアングルです。
白いパーツは(中央の部品は違います)作り込みしたものです。
真下のアングル。
実は、設計(図面)通りに作れば良いのではなく実際は少々難しく
GMの車高は実車よりも高く同じように製作すると線路との間がスカスカで
見栄えが悪くなります。
そこで全体的に部品を下げて取り付ける必要があります。
上げすぎず下げすぎず。感覚で作っていきます。
TNカプラーの取り付け爪です。
0.8mmの穴を開けプラ棒を差していきます。
気動車と言うより電車に見えますね。
側面のアングル。
だいぶ仕上がってきました。
屋根の手スリを付け忘れていたので正面上に2個取り付けました。
台車はメタルパーツと車輪がギラギラ光るので黒色を塗り落ち着かせます。
塗装に入ります。
下回りの塗装です。
黒を先に吹きつけ落ち着かせ暗目のGM35番 ダークグレーを吹き付けます。
続いて屋根。
同じダークグレーを吹き付けます。
写真などから暗めのグレーと言うことがわかりました。
修繕跡も無く、屋根に排気管が無いことからわりかし綺麗だったかと思います。
屋根をマスキングしGM4番 国鉄クリーム4号を吹きつけます。
3〜4度に分け薄く吹き付けます。
「パキ!」あら?
クラックです。
このキットは前面部分が別パーツのためもあり弱いです。
補強したのですが少々不足。
修繕に入ります。
内側から瞬間接着剤ゼリーを盛り、外側からは液パテで化粧仕上げ。
側面の縞模様のマスキングをし、GM31番 国鉄朱色4号を吹き付けます。
扉の凹みが大きいこの車両。
マスキングが非常に手間でした。
マスキングをペリペリペリ〜
綺麗な色分けができました。
少々塗装の修繕を施します。
ようやく気動車らしくなりました。
次は手スリ取り付けです。

色入るといいですね。
前面に手スリ(銀河モデルN-255)を取り付けます。
今回は片面だけなので少し楽です。
側面手スリは0.2mmステン線からの作りこみです。
キハ22と違い長さも違い乗務員扉は片側のみとなっております。
穴の間隔の誤差を調整しながらの作業です。
取り付け後色を差しました。
車体と同じくツートンに仕上げ。
少々仕上げに時間をかけながら出来上がってきました。
正面の手直しです。
どうも手スリの取り付けが気に入らない・・・
調整してもいまいち。
ここから派手に直すのもリスクあり。どうしよう・・・

と、言うことでプライヤーでエイ!虫歯のように抜いちゃいました。
やはり納得いかなければやり直しましょう。
思った程難しくなく調整完了。
本当に0.1・・・数ミリの間隔ですが調整しました。

テールランプレンズにライトレンズ(今回はアルクラッドメッキ仕上げでキラリ!)
ホースに幌と取り付けていきます。
私の苦手なインレタも綺麗に定着。
やはりTOMIXのインレタは定着がいい。
今回窓ガラスはプラ板切り出しです。
カットしてコンパウンドで磨いてゴム系接着剤でペタリ。
ハミ出してもゴム系なら取れます。
スノープローを製作しました。
GMの単専用スノープロー改です。
実車を良く見ると、SL?のような短めといいますか端っこが直角に落ちているタイプ。
ビットソーでカットしました。
取り付け後再度、参考資料で確認しましたがいい感じでした。
ジャンパーホースの上に蓋も取り付け落成が近づきました。
ステップの取り付けは少々悩みました。
強度優先かデザイン優先か。
長旅で使われますので強度優先にしました。
見た目でそんなにガサくもないのですがね。



そろそろ落成となります。




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2009年12月落成となりました。


                今週はここまで・・・・