GMキハ22改造 

ここではHide車輌工場の工法の一部をご紹介しております。
細かな説明は車輌テクニックで紹介しておりますので省略致します。
気になる部分がある場合は車輌テクニックを見た上でbbsにてご質問下さい。

今回のオーダーはオークションで落としたGM社製のキハ22の
改造依頼です。
もともとキットなのですがオークションでは組上げた状態で落札
しました。
依頼者様からは、ディティールアップと1両を首都圏色変更で
受けました。

まずは工場にて点検!
接着面にデザインカッターを入れ分解。
分解することで組上げたモデラーのスキルがわかります。

基礎知識のある方が組上げたようですね。
次に、首都圏色変更のボディーの塗装を剥がします。
シンナープールに漬けます。
柔らかい筆で優しく剥がします。
クリーム色から落ち始めました。
角や窓枠は塗装が厚く少し時間をかけます。
こんな感じです。
そろそろいいかな?ここまで20〜30分でしょうか。
少し時間を置くと染み込み剥がれやすいです。
乾燥後チェック!
続いて、なんちゃって手すりを削ります。
ルーターでウィーン!と
なんちゃって手すりを削ったら、手すりの取り付け位置にドリルで
穴を空けます。
今回は0.3mmです
いきなり空けると穴がずれるのでマーキングしてからドリルを
当てましょう。
0.2mmのステンレス線で製作した手すりを取り付け接着。
接着は、瞬間接着剤ゼリーを使用。
こんな感じです。多少曲がってますが精密ペンチで修正します。
それと、タブレットキャッチャーの土台を取り付け。
見えるかな?
横に手すりが出っ張ってますね。
ここでサーフェイサーを吹くわけですが、その前に洗浄。
中性洗剤でいいでしょう。
サーフェイサーを吹き乾燥ブースへ。
サーフェイサーを吹く前にステンレスの部分にはメタルプライマーを
塗ると剥がれにくいです。
続きまして屋根ですね。
ベンチレーターを6個から9個に変更します。
年式により6、7、9といくつかあります。
そして屋根上の手すりを追加。
発炎筒もいまいちなので銀河モデル社製に変更です。

もともと取り付けてあるベンチレーターを取り外します。
穴、キズのパテ埋めです。
大きいキズは500番、仕上げは1000番の液パテを使ってます。
サーフェイサーを吹きキズのチェック。
やり直し部分を確認し、再び液パテを。
1000番ですね。
床下にいきます。
組上げたモデラーさんの雑な部分や、間違いの修正を・・・

いや、ダメですね。
工場にて製作致します。
元々の模型自体が微妙に違います。
エンジンカバーの有無、配管、タンク位置etc・・・

元になる原型を固定しシリコンを流し型枠を作ります。
少しづつ流し気泡を抜きます。
満べんなく流し半日かけて硬化させます。

乾燥ブースに入れてますが乾燥させてる訳ではありません。
ホコリがかぶらないようにです。
もともと化学反応ですからね。

しばしお待ちを・・・

かぱーん!っとシリコンから型を取り出し完成!
ここにレジンキャスト液を流し込みます。鋳物の鋳型と同じです。
そして出来上がったDMH17寒冷地仕様!
すばらしい!(ホワイトチョコみたい?)
次に新しいエンジンを載せるため旧型エンジンの撤去です。
ここまで綺麗にやるとエンジンの載せ替えもらくちん。
ウエイトにはHide車輌工場の文字が刻んであります。
見えないとこまできちんとやってますと言った工場の証です。かな?
また戻り、屋根です。
屋根にベンチレーターなどを取り付ける方、必見。
工場での狂いなく正確な作業の仕方をちょっとお見せいたします。
サーフェイサーを吹いた屋根にマスキングテープを貼り、センターを出します。
このセンターに合わせ方眼紙を張ります。
あとは簡単。
図面を見てポイントしていくだけ。
ね、簡単でしょ?
精度出せますよ。
狂いなくきれいに並びました。

皆さんもやってみて下さい。
 
エンジン載せです。
圧着中〜



← Befure

← After
 !
エンジンを塗装しました。
この年代の気動車の床下はグレーが多いです。
ねずみ色1号です。
このままユーザーに渡してもいいのだが悲しくなるので一応塗装。
(これはこれでいけるよね?笑)
はい!お決まりのトイレ流し管。
国鉄だよね。
で、湿度計とにらめっこし、一気に塗装。
色入るといいね。
続きまして内装施工。
上のGM標準内装はやめてKATOの客車の内装を移植しましょう。
あ〜、ウエイトのでっぱりが邪魔。
(GM製作モデラーならわかりますよね。笑)
加工した床下と座席を一機に圧着!
合体したらサフェーサを吹いてマスキング。
色入れます。
いいべ、いいべ。
うちの内装部門いい仕事するでしょ。
名付け。(番号入れ)
その番号の経歴を調べ付けます。
不幸な車番は付けたくないですからね。
(我子の名付けと一緒)
なんかいいんじゃない?
仮組してみましょう。
あれ!!

クラックが!乗務員扉のタブレットキャッチャーしたに!
やばい!泣き!

注)塗装剥離の時のシンナープールで強度は落ちます。
でもあせらない。
うちの工場ぐらいになると直せて当たり前。笑
ちょっとオーバーでした。
仕上げ組上げ。
全般検査明けのキハ22がDMH17のエンジンを響かせやってきました。
オーダーは「秋」
窓は開けても乗客は長袖。
こだわりです。
画像の上にポインターを載せて下さい。
ウェザリングBefure After!ってとこですね。

やるな!工場長!ってとこかな。
アップしてませんが細かな点が多数あります。
質問などありましたらお気軽にお尋ね下さい。
掲示板でもメールでも受付いたします。

ご依頼仕様は、昭和の秋、標津線を走るキハ22です。