早春の想い出 上野幌駅
今回のご依頼は、旧上野幌駅(昭和45年前後)の3月の早朝に流れ込むキハ22。
なかなか良き時代(国鉄)の頃の作品になります。
ただこの駅、千歳線で札幌のど真ん中を走ってましたがそれも昭和47年までの話。
現在路線はサイクリングロードとなり駅は公園。
写真も少なく歴史を紐解くジオラマになりそうです。
現在の跡地を探して来ました。 公園にその歴史が刻まれておりました。 |
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ちょうど、線路の上からのアングルです。 この少し右か左にホームがあったと思われます。 現在は住宅地で旧上野幌駅があった頃は畑か原生林だったと思われます。 |
今回の木製ホームを製作にあたり、実物があれば見て見たいと思い 鉄仲間の苗穂のおっさんやL901さんの情報を元に探しました。 (ありがとうございました) 意外と身近にありまして、札沼線 石狩月形駅のホームの一部に残ってました。 駅員さんの許可を得て撮影、寸法を測りました。 なかなか貴重ですね。 |
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色々調べた情報を元に図面化しました。 この図面は実寸大です。 調べた寸法を1/150でサイズを算出していきます。 |
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実物の写真を元に階段の図面です。 部材の寸法もあるのでその辺のサイズ0.2mm単位で丸めていきます。 部材の品番を調べ発注となります。 |
部材が入荷しました。 今回はエバーグリーンの角材、1.0mm×1.5mmと1.5mm×2.0mmです。 実寸から割り出しこのサイズとしました。 この太さは、幹線の枕木と鉄橋の枕木の太さです。 ホームでは、この2種類が使われておりました。 |
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1.0tのプラ板を図面通りにカット。 ここから始まります。 ホーム渕に1.5mm×2.0mmのプラ棒を接着。 |
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さてさて、階段から製作。 図面の通りにカット、カット。 図面が間違いなければサクサクいけちゃいます。、 |
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そうそう、プラ棒は、枕木。 そう、木なんです。 すべてのプラ棒に木目を付けます。 これが非常に大事・・・ |
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完成。 少々段差が高く見えますが、膝より少し低い高さ。 実際の階段と同じ高さです。 枕木2本分の高さなんですね。 |
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ホームに借り組み。 |
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少しだけ、側面を作成。 あ〜!いい感じ。 これです。 |
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さらに追加!追加! | |
片面完成。 木製ホームだ〜 今まで製品化されてないのが不思議。 (意外に製作後、商品化されるケースが多い。) |
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横にキハ22を並べると狂いのない高さ。 車両は、階段手前に停車します。 |
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ちょっと見えないかな。 木目がいい感じ。 早く塗装したい。 でも、反対側は、まったくできてません。www |
さて、後日・・・その反対側を製作。 アングルを使いきっちりと枕木を接着していきます。 |
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反対側は、修正がきくようにタミヤセメント流し込みを使ってみました。 接着に時間がかかるぶんバイスでしっかりと固定します。 独特の臭いがしてます。w |
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1ヶ所ですが裏側に梁を取り付けます。 | |
ホームらしくなってきました。 綺麗に縦線が並びました。 |
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ちょっと22を置いて・・・ こんな感じです。 |
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ん〜 ダメな物はダメ・・・ 写真を色々見るとキハ22の停車位置は階段の左側・・・ やっぱり付け替えましょう。 ザックリカット |
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サックっと埋め込み | |
階段を抜いた部分の修正 さらにザックリと |
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あと少しパテで修正すれば階段の移設完了です。 先に気が付けば良かった・・・ |
ベンチです。 ん〜!疲れた〜!と言ってゴロ寝してます。 実は、今回のホームには、白いベンチがあったことがわかってます。 ベンチは、先日の札沼線の取材で撮影してます。 国鉄の規格のベンチらしく、どの駅にもありました。 1.5mmのプラ棒を組み合わせ完成です。 (人形はジョークです。w) |
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駅名標の作成です。 良く調べると、昭和20年代の頃は太い角材の組み合わせでできてましたが 廃線前後の頃には鉄パイプで組んだ物に変わってました。 0.6mmのピアノ線を使い組上げます。 文字は、パソコンで作りRICOHのカラー複写機で縮小印刷。 さすが業務用となればこんなに小さな文字も潰れません。 |
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完成! | |
ちょっと配置。 位置などは、少ない写真に写りこんでいる影などから割り出しました。 |
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ホームが白いので雪の中のようですね。w | |
ベンチもひっそりと。 恐らく、外に置くことにより防水が必要だったのでしょう。 白く塗装されておりました。 |
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木の部分を塗装しました。 もう少しグレーでも良いかと思いましたが、木の風合いを生かしたく タミヤのアクリルXF-72を吹きました。 |
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木目が見えて本当の木のようですが、すべてプラです。 |
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全体です。 | |
さて、砂利を敷きますか。 ホームは細かな砂利なのでグレインペイントで表現しようと思います。 塗ると言うより「盛る」が正しいでしょうか。 |
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ホームに見えてきました。 | |
ここの前にキハ22が停車致します。 階段の渕は黄色と黒のゼブラ色に塗ります。 |
線路(KATOフレキシブル)の枕木をサーフェイサー塗装後にタミヤXF-72 茶色を吹付けます。 |
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そして線路部分はクレオスH344ラスト(さび)を筆で塗っていきます。 | |
続いて台座ですが、アクリルのカラージェッソを塗ります。 (いつも通り) |
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ホーム向こうの丘をスチレンボードを削り製作 | |
同じくスチレンボードの丘をジェッソで塗装。 チョコレートみたいですね。www |
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線路を固定しホームとのバランスを確認します。 今回は、走行させる訳ではないので実車のスケールクリアランスでいきます。 |
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渡り板を取り付けました。 (実は取付後、気に入らなく付け直しましたw) これも枕木なんですよね。 |
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丘の部分にグレインペイント23土緑を塗装。 黄緑色のザラザラになりました。 |
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これわかります? 電柱に付くゼブラと駅名標です。 かなり小さいですが文字はつぶれておりません。 さすがリコーのカラーコピー機・・・w カットして電柱に貼り付けました。 |
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さてさて、自然の物の製作しますか。 木を造りましょう。 0.4mmぐらいの銅線を数本束ねます。 |
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根元を半田で接着し木の枝のように束ね分岐していきます。 |
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こんな感じです。 | |
少しアップ・・・ | |
ここでもカラージェッソが登場。 ラッカー液パテでも良いかと思います。 5〜7回に分けて乾かしながら塗ります。 最後にグレーで塗装すれば完成です。 木の色って良く見ると茶ではなくグレーがほとんどです。 |
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街灯の傘の部分です。 プラ板をポンチでくり貫き丸い穴とバーニシャで傘状にします。 |
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小さな傘ができました。 | |
まん中に0.2mmの穴を空け0.2mmのステン線を通します。 完成はもう少し後・・・ |
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バラストいきますか。 TOMIXのバラストを撒きます。 筆で慣らしながら調節していきます。 |
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接着剤は、木工用ボンドを水で割り食器洗い用の洗剤を垂らします。 (浸透性が良くなります) |
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水を吹付けて浸透性を良くします。 | |
スポイトで接着剤を流し込みます。 | |
もうベチャベチャ・・・ 自然乾燥させるなら数日かかるでしょう。 |
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塗装用の乾燥ブースにブチ込み完了。 3〜4時間で乾くでしょう。 |
完成
昭和47年の北海道、今は無き旧上野幌駅
3月早朝、氷張るホームへキハ22が今日も滑り込む
学生、通勤客が利用するこの路線は地域住民の足となる
駅舎からホームへは、使い古された枕木が並べられホームもこの枕木で組上げられた木製ホーム
枕木からのクレオソート油の香がしてきそうです
ホームへの上り階段は駅員に黄色と黒に手塗りされホーム上には北海道の駅でよく見られた木製の椅子が一つ
「3月なのにまだまだしばれるね〜」と言う会話が聞こえてきそうです。
キハ22−83ですが、札幌を中心とし千歳線を活躍しておりました
冬には連結器に凍結防止のカバーが取り付けられます
模型では停車中の再現のため扉を開けて乗務員窓から車掌が顔を出しております
模型ならではの線路上からのローアングルをお楽しみ下さい
(くれぐれも実車の撮影では線路に降りないように・・・)